自立支援医療制度

通院患者さんのための「自立支援医療制度」という便利な制度があります。

これは、心療内科通院中の患者さんの診察代、薬代を3割負担から1割負担に減額できるようにするもので、状態が不安定で頻繁に通院が必要な患者さんや、他の病院でデイケアを利用する場合にも使えるので大変ありがたい制度です。

患者さんご本人から、この制度の利用についての相談があることも多いのですが、こちらから切り出していいのかどうか迷うこともあります。

一番多いのは、それを利用しないといけないほど通院が長くなるのかということ。なかなか治療経過が長くなる可能性があるとは言い難いので、ついご提案することを迷ってしまうこともあるのですが、実際、うつ病治療が1年、2年と続く方がいることは事実です。

デイケア、リワーク(復職支援プログラム)利用も数ヶ月以上かかることもあり、どの程度の治療期間が必要なのかを見極めて早期に、利用可能な良い制度があるならば、それを進めることも大事になってきます。


2点目としては、この制度を利用すると自分が「精神障害」と認定されてしまうような不安を感じるということ。

これに関しては心配はいりません。

精神障害ということが社会的に確定されてしまうなどということはありえませんし、この制度はあくまでも通院医療費の負担を減らすことを目的としているからです。
より良い医療制度の利用は、患者さんの権利でもありますから、病院としてもできるだけ患者さんに適したご提案をしていきたいと思っています。